若くてもEDになる?10代20代の勃起不全・よくある質問集

若くてもEDになる?10代20代の勃起不全

10代・20代のED患者は珍しくありません。

若い世代の患者様から、「自分のように、10代20代くらいで、EDの相談に来る人はいますか」という質問を受けることがありますが、実際のところ、当院のEDの相談患者さんのうち、大体2割弱ほどが10〜20代の方です。

今回、10代、20代で相談に来られる患者さんからよく頂く質問を例に挙げて、それに対する回答をしていこうと思います。

若い方から受けることが多いEDの相談内容をご紹介します。

「自分がそもそもEDなのかどうか、分からない」
「急にうまく勃たなくなって、何をどう相談したら良いか分からない」
若い方からは、このようなご相談を受けることがしばしばあります。

そもそもEDという病気はどういうものなのか?ということですが、日本性機能学会/日本泌尿器科学会から刊行されているED診療ガイドライン[第3版]でEDの定義については、「Erectile Dysfunction(ED: 勃起障害/勃起不全)とは:満足な性行為を行なうのに十分な勃起が得られないか、または(and/or)維持できない状態が持続または(or)再発すること」と書かれてあります。

要するに、こちらのコラムを読まれている方が、もし硬さが足りない・持続力が足りないなどの状況に陥っており、勃起力に不安を感じているのであれば、EDという病気の可能性を考える必要があり、専門医に相談してもらった方が良いかと思います。
「こんなに若い時から、こんな状態になって、本当に大丈夫なのか?」
「何か大きな病気でもあるんじゃないのか?」
もし、若い人が、急に勃起がうまくできず、性行為ができなくなったとしたら、それはさぞショックで驚かれることと思います。一般的には、EDの原因で一番多い要素は、「加齢」によるものですので、こんなに若いのに自分は本当に大丈夫なのだろうか、と思うかもしれません。

ですが、「勃起」は、非常に繊細な生理現象です。その日のコンディションやパートナーとの雰囲気、緊張の度合いや気持ちの盛り上がり方などによって、思うような状態にならないこともよくあるものです。特に、もし急にそのような状態になったとしたら、多くの場合、それは病気というよりは、一時的な不調であることが多いので、様子を見ていたら改善することもあるでしょう。ただ、中には、一時的な不調からうまく立ち直れず、こじらせてしまい、症状が長引く人も中にはいます。

もし不調が長引いてしまうと、不安や焦りが強くなり、やがて心因性EDという病気に変わっていくこともありますので、注意が必要です。
「バイアグラを一度服用すると、一生飲み続けないといけないのではないか?」
先ほど、お話ししたような、不調が原因で相談に来られる患者様は非常に多くいらっしゃいます。当院では、そのような場合、大きく分けて2つのご提案をすることが多いです。

・バイアグラなどのED治療薬を服用すること
・EDの原因を調べる検査をしてみること

当院で初回の相談の多くの場合、前者を選択されるケースがほとんどです。通常バイアグラなどのPDE5 阻害剤と呼ばれるED治療薬は、通常70~80%程度の有効率、つまり服用すれば7~8割の人が効果を実感できます。これらの薬剤は、陰茎への血流を増やし、勃起をサポートしてくれる効果が期待でき、もし原因が単なる不調や心因性であれば、ほとんどの人で効果が期待できます。

さらに言えば、一時的な不調によるEDに対しては、PDE5阻害剤で治す、というよりも、PDE5阻害剤をうまく利用して、自分の不調をしっかり整えることが本質的な治療となります。バイアグラ・レビトラ・シアリス、あるいはそれらの後発医薬品、と言ったED治療薬を使いながら、「体調を整えて性行為に臨む」、「リラックスした環境づくりを整える」、「射精までできるのだという自信に繋げていく」そのような好循環を作ることです。

すなわち、ED治療薬を服用すること自体が治療の主役なのではなく、不調の悪循環を断ち切るようにED治療薬で自身の勃起を支えながら、自身を適切な状態になるよう整える取り組みをやってもらうことこそが、特に若い世代のEDにとっての根本治療なのです。

もし、そういった取り組みを複数回やってみた結果、ED治療薬を使わなくても性行為ができるようになるのであれば、病的な問題はなく、心配ないと言えるでしょう。治療をお薬に頼るつもりで服用すると、いつまで経っても薬に頼らないといけなくなりますが、きちんと自身の不調に向き合って、そこを治すためのサポートの手段としてバイアグラを使用するのであれば、お薬を使う必要がない状態に持っていくことは可能で、一生飲まないといけないということはありません。
「20代でEDになることは普通なのでしょうか?年配の人だけの問題だと思っていたのですが…」
EDは年配の男性に多いとされがちですが、20代の若い男性でも起こることがあります。実際、2023年に行われた日本性機能学会のインターネット調査においても、20代の男性のおよそ20%が何らかの形でEDを経験していると報告されています。

その背景には、ストレス、過度のプレッシャー、睡眠不足、アルコールやタバコの影響、さらにはインターネットを介した過剰な性的刺激など、さまざまな要因が影響しています。心配しすぎる必要はありませんが、症状が気になる場合は専門医に相談することをお勧めします。

ED専門クリニックよりも、性機能専門医がいるクリニックの受診を

もしも、今回取り上げた内容に近い悩みや不安をお持ちの方は、紳士クリニックのような、性機能学会認定専門医が管理運営する医療機関に相談することをおすすめします。

なお、「ED専門」を掲げているようなクリニックの受診には注意が必要かも知れません。「ED専門医」というものは存在せず、単なる自称に過ぎません。ED専門を謳っている所は、裏を返せば「ED治療薬の処方以外の事は対応が難しい」のかも知れないのです。

性機能学会認定専門医が指導する医療機関であれば、勃起や射精、性の悩みに対応できるスキルや知見により、充実した診療を受けることが可能となります。

ED治療薬以外にも、様々な対応が可能です。

当院では、EDの原因についての検査・治療など総合的な対応を行うことも可能です。

男性ホルモンの一種テストステロンや性機能に関わるホルモンバランスの検査をはじめとして、EDの精神的要因と関わりのある自律神経のバランスを計測する検査を実施したり、睡眠時無呼吸症候群の検査をして必要な場合は保険診療による治療を実施したりできます。検査の結果、より専門的な治療が必要な場合には提携医療機関の紹介も実施しており、様々な対応が可能です。

当院のED診療について