バイアグラが保険適用になる?不妊治療におけるED治療薬の処方について

保険適用となるのは「不妊治療」

2022年4月より、不妊治療に関して、人工授精や体外受精・顕微授精などの専門的な治療や手術、治療に必要となる医薬品が保険適用となりました。その中で、バイアグラやシアリスなどの 勃起不全治療薬(ED治療薬) も不妊治療に用いる場合には保険診療での処方も可能となっています。

2022年6月時点で、保険適用となるED治療薬は以下の通りです。

  • バイアグラ錠25mg・50mg・同ODフィルム25mg・50mg(成分:シルデナフィルクエン酸塩、ヴィアトリス製薬)
  • シアリス錠5mg・10mg・20mg(成分:タダラフィル、日本新薬)

各ED治療薬のジェネリック医薬品(後発医薬品)については現在のところ保険適用での処方は認められていません。レビトラ錠に関しては日本国内では発売中止のため除外されています。

ただし、厚労省はED治療薬について、「保険適用の対象として想定されるのは、勃起不全による男性不妊のみ」としています。つまり、患者様がパートナーと共に妊活に取り組んでいて、なおかつ勃起不全が不妊の原因の一つとなっていることが確認できなければ、保険適用での処方はできません。

保険適用で処方を受けるための条件

まず、御注意いただきたいのは、誰でも、どこの医療機関でもすぐに保険診療でED治療薬を処方できるわけではないということです。あくまで一定の条件を満たした場合にのみに限ります。

不妊治療を当院または専門の医療機関で受けること

まず、患者様ご本人またはパートナーの方が6ヶ月以内に保険診療で「一般不妊治療」又は「生殖補助医療」を受けていることが必要です。

不妊治療の初診時に、すぐにED治療薬を処方することはできない決まりになっています。それは、上記「一般不妊治療管理料」「生殖補助医療管理料」の治療開始は原則として2回目以降の不妊治療の受診時からとされているからです。

なお、「一般不妊治療管理料」「生殖補助医療管理料」については、どこの医療機関でも算定できるわけではなく、あらかじめ厚生労働省に届出をしている医療機関でしか、算定することはできません。

当院は、一般不妊治療管理料算定医療機関として、厚生労働省より認可されておりますので、対応が可能です。

他院で不妊治療を受けている場合は、6ヶ月以内の受診日の、「一般不妊治療管理料」「生殖補助医療管理料」が記載された領収書・および明細書を必ずご持参ください。

パートナーの方の同席

パートナーとともに不妊治療に取り組んでいることが必要です。このため、受診時にパートナーの方にも同席していただく必要があります。ご一緒に医師の説明を受けていただき、ご両人の合意のもと治療を進めていきます。

また、その際には、両名の保険証のご提示など、パートナーの方との婚姻関係を証明できるものをご持参頂く必要があります。また、授かったお子様を認知する意向の確認も必要となります。

男性不妊および勃起不全の検査や診断

患者様が勃起不全と診断され、かつ勃起不全が不妊の原因であると判断できる場合に限られます。初回は自然妊娠の可能性などを確認するために血液検査、精巣エコー(超音波検査)、精液検査などを実施します。勃起不全の診断に関しても、医師の判断によっては血液検査などを実施する場合があります。

初めて不妊治療を受診された場合、その時点ではまだED治療薬の処方はできません。次月に改めてご来院いただき、医師が「EDによる男性不妊」と判断した場合に、バイアグラやシアリスを処方するという流れとなっています。

その他のご注意点

  • 子供を授かるための性行為の時にのみ服用することが想定されているため、一月に処方できる処方数は4錠以内に制限されています。
  • 継続して処方できるのは6ヶ月程度まで。最長でも1年間が限度です。
  • 条件を満たしていない場合でも、自費診療でED治療薬の処方・EDの原因を調べる検査が可能です。

妊活におけるED治療の意義

従来より、妊活に伴うEDの相談は、当院を受診される患者様の中でも比較的割合の多い相談内容となっています。

その多くは、血管性などの器質的な要因よりも、妊活に伴うプレッシャーやパートナーの排卵日前後に合わせたコンディションの調整不足だったりするのが原因であるため、ED治療薬の処方で解決することが比較的多いのが特徴ですが、希望がある場合は、当院で自律神経検査やホルモン検査などで、ED原因検索検査を行なうことも可能です。(ED原因検索検査は、保険適用外の検査となります)

自費診療でED治療薬を処方するメリットとしては、当院の場合であれば、薬の処方相談のみであれば診察料がかからないという点、先発品と効果が同等で、安価な国内製のジェネリック医薬品の取り扱いもあるという点、初診時からすぐ処方が可能という点、一度に処方できる数に特段制限がないという点などが挙げられます。

いずれにしても、妊活に伴うEDは、病気としての身体的な問題よりも、家族計画に大きな支障を来たすだけでなく、時には夫婦関係に軋轢を生むケースもあるため、早期のご相談・解決をお勧めしています。

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尚、不妊治療目的でED治療薬の処方をご希望の場合は完全予約制となります。予約専用のページにアクセスしていただき、「担当医による診察予約」を選択し、ご希望の日時をお選びください。

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