こんなことでお悩みではないですか?
- 尿道炎の症状が治療を受けても治りきっていない気がする
- 下腹部から陰部にかけての痛みが長期間続いている
- トイレに行った時にいつも痛みや不快感がある
- 射精の後痛みがあったり、血が混じっていることが多い
- 慢性前立腺炎と診断されたが、薬を飲んでも症状があまり改善しない
下腹部や骨盤周辺から、会陰部、尿道、骨盤にかけて長い期間痛みや不快感に悩まされている場合は、慢性前立腺炎や慢性骨盤炎症症候群(CPPS)の可能性があります。
慢性前立腺炎と慢性骨盤炎症症候群(CPPS)は、男性の骨盤領域に関連する炎症性疾患です。
慢性前立腺炎は、前立腺という男性にしかない、膀胱のすぐ下の骨盤に周囲を囲まれた臓器で炎症が起こり、それが長期間持続することを指します。
このような症状で悩まされている方や、慢性前立腺炎でお薬を服用していても症状が改善しない方に役立つ記事をご用意しました。
慢性前立腺炎の症状
- 頻尿や尿意切迫感
- 排尿時の不快感や痛み、射精時痛
- 陰部・会陰部の痛みや不快感
- 勃起障害、性欲の低下
- 腰痛、骨盤周囲の痛み
- 精液に血が混じる
慢性前立腺炎では上記のような症状が出ることが多いです。ではなぜこのような症状が出るのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
前立腺について
前立腺は膀胱のすぐ下で骨盤に囲まれるような位置にあります。
膀胱から伸びる尿の通り道である尿道と、精液の通り道である射精管は、前立腺の中で合流します。
睾丸内部の精巣で作られた精子は精管を通って、前立腺内部を貫く射精管へ移動します。この時精子は前立腺のそばにある精嚢という臓器から出た分泌液や前立腺から出た分泌液と混ざり合って精液となります。
このため、射精と排尿の両方に関わりのある臓器であると言えます。
前立腺という臓器には慢性前立腺炎以外にもいくつかの病気があります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
前立腺の役割と病気─前立腺肥大症・前立腺がん・前立腺炎の違い慢性前立腺炎の原因・悪化要因
- 細菌感染:細菌が前立腺に感染し、炎症を引き起こすことがあります。性感染症、あるいはそれ以外の雑菌に感染し、治療を受けて病原体が消失した後も、後遺症として無菌性の炎症が長期間続くことがあります。
- 前立腺周囲への血流障害:長時間の座位、自転車やバイクの運転など骨盤周辺が圧迫され血行が悪化するような生活を続けると、前立腺の炎症が持続的に発生することがあります。
- 生活習慣の乱れ:飲酒、喫煙、過労、ストレス、刺激物の摂取などが積み重なると慢性的な疼痛が生じる場合があります。
- 自己免疫反応:免疫系の異常によって前立腺組織が攻撃され、炎症が引き起こされる可能性があります。
上記のような原因が考えられますが、これらのうち複数が重なり合っていることがほとんどで、特に骨盤周辺の血流を悪化させるような状況が続いていると、症状は長期化します。
一般的な慢性前立腺炎の治療方法
従来の一般的な慢性前立腺炎の治療方法・改善方法には、以下のようなものがあります。
- セルニチンポーレンエキス:植物由来の「生薬」と呼ばれる種類のお薬で、抗炎症薬。慢性前立腺炎と診断された場合、最もよく処方されるお薬です。
- 漢方薬:竜胆瀉肝湯、桂枝茯苓丸など
- 抗生物質の使用:細菌感染が原因とされる場合、適切な抗生物質が処方されることがあります。
- 生活スタイルの改善:適切な水分摂取、ストレス管理、適度な運動など、生活スタイルの変更が推奨されることがあります。
- 痛みの管理:痛みや不快感の緩和のために、鎮痛剤や抗炎症薬が処方されることがあります。
骨盤周辺組織の血流の悪化が深刻な場合などは、上記のような方法でもなかなか改善が見られないこともあります。
骨盤周辺の血流の改善や組織の修復と再生の促進のために、当院では別の治療方法もご用意しています。それが低強度体外衝撃波治療です。
低強度体外衝撃波療法(low-intensity extracorporeal shock wave therapy : LI-ESWT)は、非侵襲的(身体の組織を切ったり焼いたり刺したりしない)治療法です。
この治療法は、低エネルギーの衝撃波を体の外側から、痛みや炎症が起きている病変部位に向かって照射することで、症状の緩和や組織の修復を促すことを目的としています。
この治療で使用される衝撃波の仕組みは、腎臓結石や尿管結石を破砕するために使われているものと同じです。結石を破壊するために使用される衝撃波の10分の1程度に強度を抑えることで、別の用途に使用できるようにしています。
衝撃波を慢性前立腺炎の治療に用いる理由
衝撃波治療は以下のような作用機序により、慢性前立腺炎に有効と考えられています。
- 炎症の抑制:衝撃波治療は、炎症反応を引き起こすMMPやILといったサイトカインと呼ばれる物質抑制する働きがあると言われています(※1)。炎症は慢性前立腺炎の主要な原因の一つであり、炎症を軽減することで症状の改善が期待できます。
- 血流促進:衝撃波治療により、患部周辺の血管の内皮細胞から血管を広げる作用のある一酸化窒素合成酵素(eNOs)が発生しやすくなり(※2)、血流を増加させる効果があります。さらに、新しい血管の形成の準備のため必要なVEGF(血管内皮細胞増殖因子)の放出を促し(※3)、血管の再生および新生を引き起こします。良好な血流は酸素や栄養素の供給を改善し、組織の修復や再生を促進します。
- 痛みの鎮静効果:衝撃波治療により、余分な痛みを誘発する自由神経終末の破壊(※4)し、さらに痛みに関わる神経内の伝達物質(CGRP、Substance-P)を抑制する(※5)ことで、神経の鎮静化が期待できます。これにより、神経の過敏性が緩和され、痛みや不快感が減少する可能性があります。
治療の特徴
- 皮膚を刺したり切ったりする必要がなく、麻酔や剃毛などもせずに済みます。
- 施術は通常、週1~2回、一ヶ月に合計4回程度の頻度で実施します。
- 施術1回あたりの所要時間は15~30分で終了します。
- 入院の必要がなく毎月およそ4回の通院で治療可能
- 症状の改善後は、治療を受けていなくても数週間から数か月にわたって改善状態が維持されることが多いです。
この治療の効果には個人差があり、病状や体質生活習慣によっても異なります。人体の組織に対する使用においては、国内外の論文や臨床結果において、およそ60~80%程度の患者に対して症状の緩和や生活の質の向上が見られると報告されています。
治療期間の目安は、症状によっても前後しますが、およそ1ヶ月半です。症状が改善された状態を維持するには、症状を再び悪化させるような生活習慣を避けることも必要となってきます。
この治療は現在のところ保険適用とはならず自費診療となります。
副作用と禁忌
重篤な副作用の報告はありませんが、以下のような軽度の副作用があります。
- 抗凝固剤を服用されているなど出血傾向がある場合、まれに皮下出血などが起こる場合があります。
- 衝撃波が骨に当たると、痛みを感じることがあります。
- また、施術中・施術後、照射部に一時的な軽微な痛みを感じる場合もあります。
- いずれも数時間~数日で軽快するものがほとんどです。
以下のような場合は施術を受けることができません。
- 重篤な血液疾患を有する患者
- 治療前6ヶ月以内に、心筋梗塞・不整脈を発症している患者
- 悪性腫瘍を有する患者
- 成長期の子ども
- 照射部位に化膿性疾患を有する患者
料金(税込)
衝撃波治療を慢性前立腺炎に対して実施する場合の費用は保険適用外です。
モニター患者様を特別価格にて募集中!
現在、慢性前立腺炎の衝撃波治療は、モニター患者様を専用価格で募集しております。
4回プラン(一ヶ月分)をご契約いただき、前立腺炎問診票の定期的なご記入で以下の料金で施術が可能となります。
4回プランモニター特別料金
通常110,000円のところ、半額の55,000円
施術1回(通常価格) | 33,000円 |
4回プラン | 110,000円(27,500円/回) |
5回目以降・追加施術1回(※) | 18,000円 |
5回目以降・追加4回プラン(※) | 66,000円(16,500円/回) |
※合計4回以上施術を受けた方のみお選びいただけるメンテナンス価格です。
衝撃波治療の受診方法
慢性前立腺炎に対する低強度体外衝撃波療法(Li-ESWT)をご希望の方は、当院の泌尿器科専門医にご相談下さい。
当院に慢性前立腺炎や難治性の尿道炎で通院されている方を除き、医師による診察で他の疾患との鑑別が必要となります。その際、尿検査がありますので排尿が可能な状態でご来院ください。
医師が他の病気を疑った場合には、その病気の検査や治療をまず優先させていただきますので予めご了承ください。
抗血栓薬(抗凝固薬・抗血小板薬など)を服用されている方は、事前にお伝えください。これらのお薬を服用している方が衝撃波治療を受ける場合、施術の数日前から一時的に休薬が必要となる場合があります。当院が紹介状を発行し、休薬が可能か主治医とご相談いただくこともございます。
衝撃波治療についてのご相談受付時間
月~金曜:10:45~13:45・14:30~19:30
※祝日は休診です。振替休日がある場合はそちらのみ休診となります。
Efficacy of low-intensity extracorporeal shock wave therapy for the treatment of chronic prostatitis/chronic pelvic pain syndrome: A systematic review and meta-analysis. Penghui Yuan et al. Neurourol Urodyn. 2019 Aug.
※1 Han SH et al: Effect of extracorporeal shock wave therapy on cultured tenocytes. Foot Ankle Int. 30(2): 93-8, 2009.
※2 Wang CJ.: Extracorporeal shockwave therapy in musculoskeletal disorders. J Orthop Surg Res. 20; 7:11, 2012.
※3 Wang CJ: Shock wave therapy induces neovascularization at the tendon-bone junction. A study in rabbits. J Orthop Res. 21(6): 984-9, 2003.
※4 Ohtori S, Inoue G, Mannoji C, et al. Shock wave application to rat skin induces degeneration and reinnervation of sensory nerve fibres. Neurosci Lett 2001;315:57-60.
※5 Takahashi N, Wada Y, Ohtori S, Saisu T, Moriya H.Application of shock wave to rat skin decreases calcitonin gene-related peptide immunoreactivity in dorsal root ganglion neurons. Auton Neurosci 2003;107:81e94.