陰茎海綿体注射(ICI)でED治療

ED TREATMENT
ED TREATMENT

ED治療に
内服薬以外の選択肢を

ED(勃起不全)の内服薬は、持病や他のお薬との飲み合わせにより、使用できない方もおられます。

また、加齢やホルモン分泌異常、前立腺手術、怪我などにより重度のEDになると、
内服薬のみでは良好な結果が出ないこともあります。

そんな時のための選択肢の一つが、陰茎海綿体注射です。
これは性行為の際、陰茎に薬剤をご自身で注射して、勃起を促す治療方法です。ED治療のページへ戻る

陰茎海綿体注射(ICI)

陰茎海綿体注射(ICI)でED治療

陰茎海綿体注射(intracavernous injection: ICI)は、陰茎の海綿体と呼ばれる部分に、プロスタグランジンE1(PGE1)誘導体製剤と言う血管拡張作用のある薬剤を直接注射するものです。

通常、脳が性的な刺激を受けると海綿体に血液が流れ込み陰茎は勃起しますが、PGE1を海綿体に注射すると10~15分で強制的にこの血流が起き、性的な刺激がなくても半ば強制的に勃起させることが可能です。平均130分程度効果が持続します。

ED治療薬のうち、バイアグラ・レビトラ・シアリスなどの内服薬は、飲みあわせができないお薬があります。さらに持病によっては身体の負担や病状悪化などのおそれがあり、服用できないこともあります。そのような場合でも陰茎海綿体注射であれば、有効成分は陰部にとどまり他の血管に流れないため、医師の判断によっては使用できる可能性があります。

基本料金
(指導管理料等)
  • 初回(※)

    ¥25,000

  • 2回目~

    ¥2,000

自己注射セット
注射器・薬剤など
  • ¥7,700

    × 個数

治療の特徴と副作用・リスク

有効性
  • 海外の調査で対象の90%で勃起の硬度が増大し、満足度の平均は70%以上でした。(※1)
  • 国内の調査でED治療用の内服薬が無効だった患者のうち91%に有効でした(※2)
  • 海外で脊椎損傷の患者に対し76~88%の有効率との報告があります。(※3,4)
  • 海外で前立腺全摘出手術後の患者に85%の有効率との報告があります。(※5)
効果時間
  • 性行為の直前にご自身で陰茎に注射をします。
  • 通常、注射して10~15分程度で自動的に勃起がはじまります。
  • 短くとも30分以上、平均で130分程度勃起は持続します
副作用
  • 非常に低い頻度ですが、4時間以上硬い勃起が続くと「持続勃起症」の可能性があります。

    痛みを伴うほど強い勃起が4時間以上、一度も治まることなく続く状態です。陰茎海綿体の血流が止まったままにるので、そのまま放置すると海綿体が線維化して行き、最悪の場合陰茎が壊死して機能不全になる危険性があります。発症した場合はすぐに医療機関にご相談ください。

  • 軽微な陰茎の痛みが生じることがありますが、一時的なものです。
  • まれに、海綿体の線維化、疼痛、動悸・ほてりなどの副作用が起きることが報告されています。

治療の流れ

陰茎海綿体注射をはじめて受診される際は、ご予約が必要となります。医師および看護師立ち会いのもと自己注射の指導を受けてください。すでに自己注射の経験がある方についても医師による確認が必要です。

予約ページはこちら

「予約の種類」で「担当医による診察」の”午前中~昼過ぎ”または”昼過ぎ~夜”を選択し、ご希望の日時をお選びください。ご都合のいい日程が見つからない場合は、3つ以上候補日をご用意いただき、直接お問い合わせください。

初回
  • 必ずご予約の上、受診してください。
  • 医師と看護師立ち会いのもと自己注射の指導を実施します。

    実際に注射をして、正しい手順や針を刺す位置を覚えていただきます。この時に効果の確認を行う場合があります。

  • 注射器・薬剤などのセットを希望された回数分処方します。

    注射1回分のセットに、薬剤(プロスタグランジンE1)20μg・生理食塩水・注射器(シリンジ)・注射用針・薬剤吸い上げ用針・予備の針各1本ずつ・消毒用アルコール綿を含みます。

2回目~
  • 特にお変わりなく、継続処方をご希望の場合、ご予約は不要です。 
  • 泌尿器科の受付時間内に直接ご来院ください。(平日13:30~19:30)
  •  医療廃棄物の確認に時間がかかるため早めの来院をお勧めします。

ご注意

注射の際に使用した薬剤の瓶・注射器・注射針は、「感染性医療廃棄物」です。

一般ごみとして捨てると大きな問題となりますので、すべて処方された医療機関にご返却ください。
予備の注射針も使用・未使用に関わらず全て回収します。

参考文献

1) Hatzimouratidis K, Salonia A, Adaikan G, Buvat J, Carrier S, El-Meliegy A, McCullough A, Torres LO, Khera M. Pharmacotherapy for erectile dysfunction: recommendations from the Fourth International Consultation for Sexual Medicine(ICSM 2015). J Sex Med 2016; 13: 465– 488
2) Nagai A, Kusumi N, Tsuboi H, Ishii K, Saika T, Nasu Y, Kumon H. Intracavernous injection of prostaglandin E1 is effective in patients with erectile dysfunction not responding to phosphodiseterase 5 inhibitors. Acta Med Okayama 2005; 59: 279 – 280
3) Chochina L, Naudet F, Chéhensse C, Manunta A, Damphousse M, Bonan I, Giuliano F. Intracavernous injections in spinal cord injured men with erectile dysfunction, a systematic review and meta-analysis. Sex Med Rev 2016; 4: 257 – 269
4) Lombardi G, Musco S, Wyndaele JJ, Del Popolo G. Treatments for erectile dysfunction in spinal cord patients: alternatives to phosphodiesterase type 5 inhibitors? A review study. Spinal Cord 2015; 53: 849 – 854
5) 田井俊宏,永尾光一,尾崎由美,小林秀行,中島耕一,藤目 真.プロスタグランジンE1(PGE1) 海綿体注射の前立腺癌術後勃起障害に対する有効性の検討.日性機能会誌 2012; 27: 261– 269