その他の治療薬
前立腺肥大症や、それに伴う排尿障害の治療薬は、ED・AGAの治療薬と同成分のものが存在します。
前立腺肥大症の診察においては検査などにより医師が適切なお薬を処方するため、
このページでご紹介するお薬や、患者様が希望されたお薬が処方になるとは限りません。
自費診療での処方をご希望の場合は、別途ご相談ください。
お薬を服用される際は使用上の注意事項をよくお読みください。
ザルティア
(製造・販売:日本新薬 一般名:タダラフィル)
ザルティアは、前立腺肥大症による排尿障害の改善薬です。商品名や色は異なりますが、ED治療薬である「シアリス」の主成分と同一の「タダラフィル」です。 タダラフィルの前立腺肥大症による排尿障害に対する有効性が認められたことから、厚生省の承認を受け、商品名を変更して発売されました。シアリス先発品の製薬会社が製造・販売を行っており、ジェネリック医薬品ではありません。規格は5mgと2.5mgの2種類存在し、当院では5mgのみ取り扱っております。
(自費の場合)
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5mg(1錠)
¥480
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5mg(10錠)
¥4,500
※上記は自費診療で処方する場合の費用です。保険診療で前立腺肥大症による排尿障害の治療を受けるには、泌尿器科の診療受付時間内に直接ご来院ください。
ザルティアの効果と特徴
- 前立腺は膀胱から尿道の間にある組織のため、これが肥大すると尿が出にくくなる排尿障害が起こります。ザルティアは前立腺とその周辺組織の血行を促進させる為、排尿障害が緩和されると言われています。
- 肥大した前立腺を小さくするわけではありません。
- ザルティア錠はED治療薬の「シアリス5mg」と同成分で、同様の副作用があります。
ザルティア錠の添付文書に記載された副作用の頻度は11.0%で、そのうちの主な副作用は、
消化不良:1.7% 頭痛:1.3% CPK 上昇:0.9% ほてり:0.9%などです。その他、動悸・下痢・胃炎・めまい・筋肉痛・背部痛など1%未満の頻度です。
使用上の
ご注意
ザルティアは、すべての方のお身体・症状に適するわけではありません。
本来の目的以外で使用する場合、重篤な副作用が発生した場合の補償を定めた副作用救済制度の対象となりません。
(2014年1月発売から2023年7月現在まで、制度の対象となった副作用の事例はまだありません)
心臓病の薬としてよく用いられるニトログリセリンなどの硝酸剤を使用中の方はザルティアを服用してはいけません。
また疾患・病歴やその他服用されている薬剤などによりザルティアの使用ができない方がいらっしゃいます。
注意事項・併用禁忌薬をご確認のうえ、使用に際しては必ず医師にご相談いただくようお願いします。
アボルブ
(製造・販売:グラクソ・スミスクライン 一般名:デュタステリド)
デュタステリドカプセルAV
(アボルブの後発医薬品=ジェネリック)
前立腺は、DHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンの一種による影響で、加齢とともに肥大し、排尿困難などを引き起こす原因となります。アボルブは、デュタステリド(5α-還元酵素阻害薬)というお薬で、DHTの産生を抑える効果があり、肥大した前立腺組織の退縮効果があります。
(自費の場合)
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アボルブ0.5mg
(1ヶ月分=30カプセル)¥8,500
(自費の場合)
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デュタステリド0.5mgAV
(1ヶ月分=30カプセル)¥5,500
※上記は自費診療で処方する場合の費用です。保険診療で前立腺肥大症による排尿障害の治療を受けるには、泌尿器科の診療受付時間内に直接ご来院ください。
アボルブの効果と特徴
- 1日1回の内服を毎日続けることで、肥大した前立腺を徐々に縮小させる作用があります。
- アボルブカプセルおよびデュタステリドAVはAGA治療薬の「ザガーロ」、「デュタステリドZA」と同成分で、同様の副作用があります。
- 重篤な副作用として肝機能障害・黄疸が報告されています。
肝機能障害:1.5%、黄疸:頻度不明。強い全身倦怠感、食欲不振、皮膚や粘膜が黄色く変色など、初期症状が現れたら医師にご相談ください。また健康診断などで肝機能の検査数値が上昇(悪化)する可能性があります。
- その他に報告されている副作用は以下の通りです。
頻度1%以上:リビドー(性欲や性衝動)の減退、勃起不全、乳房障害(乳房の女性化、痛み、不快感、乳頭痛)
頻度1%以下:蕁麻疹、めまい、射精障害、腹部不快感、倦怠感頻度不明:アレルギー反応や発疹、そう痒感(かゆみ)、血管浮腫による顔などのむくみ・抑うつ状態、味覚異常、精巣の痛みや晴れ、脱毛症(主に体毛)、多毛症、下痢、血中のCK(クレアチニンキナーゼ)上昇など
使用上の
ご注意
- AGA治療薬の内服薬は、1日1回1錠または1カプセルを服用して下さい。成人男性のみ服用して下さい。
- 妊娠中・授乳中の方の服用や、小児の誤飲により、胎児や小児の発育に悪影響が出る恐れがあります。
- 皮膚からも有効成分が吸収される恐れがあります。女性や小児に触れさせたり、分割・粉砕して服用しないで下さい。
- 本来の目的以外で使用する場合、重篤な副作用が発生した場合の補償を定めた副作用救済制度の対象となりません。
(2009年9月発売から2023年7月現在まで、制度の対象となった副作用の事例は平成29年の多形紅斑型薬疹1件です) - 前立腺がん検診を受ける予定がある方は、フィナステリド・デュタステリドを服用していることを医師にお知らせ下さい。
(服用により、前立腺癌マーカーのPSA値が低下するため) - 服用中は、献血ができません。献血するには一定期間服用を休止する必要があります。
(プロペシアとその後発品は1ヶ月以上、ザガーロとその後発品は6ヶ月以上)