性感染症の検査・治療、実は保険診療で可能。そのメリット・デメリットとは?
性感染症に不安を感じたとき、「保険が使えるのか?」「自由診療の方が安心?」「家族にばれない?」と迷われる方も多いのではないでしょうか。
当院では、症状やご希望に応じて、保険診療・自由診療どちらにも対応していますが、基本的には保険診療で対応できる範囲での検査・治療を推奨しています。
実際、当院に来院される方の約9割以上が保険診療での検査・治療を受けておられます。保険適用が可能な症状やリスクがある場合には、無理なく必要な医療を受けられる方法として最も現実的です。
本記事では、それぞれの違いや選び方、当院ならではの検査体制について詳しくご案内します。
保険診療と自由診療の違いとは?
比較項目 | 保険診療 | 自由診療 |
---|---|---|
対象 | 症状・感染リスクが明確 | 検診目的・希望による検査 |
費用 | 3割負担(例:診察費・治療費込みで2,000〜4,000円) | 全額自己負担(1項目4,000〜50,000円) |
保険証 | 必要 | 不要(匿名診療は不可) |
検査項目 | 医師判断で組み合わせなどは限定的(例:淋菌・クラミジア、梅毒など) | 希望に応じて自由に選択可 |
結果通知 | 平日午前提出で当日夕方 | 同左(オンライン通知も可) |
✅ 淋菌・クラミジア・梅毒は、保険でも自費でも、平日午前中に検体を提出すれば当日夕方に結果判明。即日治療が可能です。
保険診療は基本としておすすめしていますが、制度上の決まりがあります
保険診療では「医学的に必要な最低限の検査」のみが認められており、基本的には何らかの「症状」があって、その症状から考えられ得る疾患の検査に対して適用されるものです。また、それ以外にも決められたルールがあるため、希望の検査を全て同時に実施できるとは限りません。
たとえば:
- 排尿時痛がある場合 → 淋菌・クラミジア検査は保険適用となります。
- ただし、マイコプラズマ・ジェニタリウムやウレアプラズマの検査は、同時には保険で出すことはできませんが、同日に分けて実施することは可能です。
- 淋菌・クラミジアの検査などの場合、症状があっても、咽頭と尿の二部位以上の同検査は、同日にできません。
- HIVは、基本無症状の疾患なので、保険診療で調べることは難しいことが殆どです。
これは「段階的に検査を行う」という制度上の考え方に基づいています。
✅ そのため、当院ではまず保険で対応可能な検査を優先し、必要に応じてご希望に合わせて混合診療にならない範囲で、自由診療で追加検査を組み合わせる形をご提案しています。
自由診療を検討される方へ:メリットとデメリット、注意点
自由診療は、保険診療では対応できない項目を補完したり、希望に応じて柔軟に検査を組み合わせられるメリットがあります。
ただし、以下のような注意点もあります:
- 費用が全額自己負担となるため、項目数が多いと費用がかさみます。
- 医学的に必要性が低い検査まで選んでしまうリスクもあります。
- 費用設定は医療機関によって異なるため、比較しにくい点もあります。
- 治療費も全額自己負担になるため、高額になる可能性があります。
- どの性感染症も、標準的な治療を行なったとしても、100%の奏効率ではないため、治癒確認の検査が必要ですが、それも全額自己負担となるため、さらにコストがかかります。
「なんとなく色々性病について検査しておきたい」という場合は、自由診療でも良いかと思います。
一方、治療を前提とするような場合であれば、当院では自由診療はお勧めしていません。なぜなら、治療はガイドラインに沿って行う方が、確実性が高いからです。自由診療で治療すると、治療費が高額になるだけでなくフォローアップや投薬がガイドラインから逸脱して雑になりがちで、治癒率が落ちるリスクがあるからです。
当院では、必要な検査を明確にした上で、過剰な検査や不明瞭な費用が生じないよう、医師と相談しながら自由診療をご案内しています。
当院の強み:性感染症専門医による診療、即日対応、適切な保険診療のご案内
1、性感染症診療に精通した専門医が在中していること。
豊富な経験と最新の知見をもとに、ガイドラインに基づいた適切で信頼性の高い診断・治療を行っています。
2、即日対応が可能な体制。
淋菌・クラミジア・梅毒に関しては、平日午前中に検体を提出いただければ当日夕方に結果が分かり、即日での治療も可能です。
他院では難しい“その日のうちに完結”できる体制は、大きな安心につながります。
3、保険診療と自由診療の制度に精通していること。
制度上のルールを理解した上で、混合診療にならない範囲で、最大限保険適用となるようご案内します。ご希望があれば自由診療の併用も可能ですが、まずは負担を抑えて適切な医療が受けられるようご提案しています。
保険診療で家族にばれる?不安への対応
性感染症の検査で保険証を使うと、「家族にばれるのでは」と心配される方も少なくありません。
たしかに、保険を利用すると、会社の健康保険組合などから「医療費通知」や「診療明細書」が送られる場合があり、以下の情報が記載されます:
- 医療機関名(例:大阪梅田紳士クリニック)
- 診療日
- 点数・費用
ただし、病名や検査名(例:淋菌、クラミジア、梅毒など)は一切記載されません。
紳士クリニックに受診したこと自体は通知されますが、当院では性感染症以外にも「血尿」「排尿の違和感」「陰部のムレやかゆみ」「尿の泡立ち」「前立腺のトラブル」など、泌尿器に関する幅広いご相談に対応しており、実際に受診される方の半数以上は性感染症とは無関係の一般泌尿器科の診療です。
そのため、保険証を使って当院を受診された場合でも、「トイレが近くて仕事に支障が出た」「尿に血が混じってて心配になった」「汗で股間がムレて痒かった」など、自然な理由でご家族に説明することは可能です。
また、万が一、ご家族から当院にお問い合わせ頂いたとしても、ご本人様以外に対して、詳細な診療内容までお答えすることはありません。
プライバシーに関してご不安な点があれば、受付や診察時にお気軽にご相談ください。
まとめ
- 保険診療で対応できる範囲を基本にご案内しています
- 淋菌・クラミジア・梅毒は平日午前中の検体提出で当日結果・即日治療も可能
- 保険診療には制度上の制限あり。希望項目は自由診療で追加可能
- 医療費通知では病名は記載されないが、医療機関名が気になる方には自由診療対応も
- 当院の約半数の患者さんは性感染症以外の泌尿器のご相談
安心して検査・治療を受けていただける体制を整えております。まずはお気軽にご相談ください。